伏見屋ガラス店は、1914年(大正3年)に福島県郡山市の商店街にて創業しました。
創業100年を超え、市内でも一番古いガラス店となった当店ですが、今も同じ場所で同じ店舗を修繕しながら営業を続けています。
創業当時から板ガラスを中心とした施工販売を行ってきましたが、大量生産・大量消費を前提とした現実の経済活動と、持続可能な生業を立てるという理想の狭間で、ガラス店としての在り方を考え続けてきました。
そんな中、私が4代目を継いでからしばらく後、店の屋根裏から古いガラス製品を見つけました。木箱を開けるたびに顔を出すガラス製品がまるで宝物のように見えたとき、「これかもしれない」と思ったのです。
新しくつくって消費するだけでなく、もうすでにある古くとも良いものを生かせるガラス屋になろう。
空き家となった古い家で使われている建具ガラスは、今では製造中止となっているものも多く、割れてしまうと廃棄される場合がほとんどです。
例えばそんなガラスを引き取って、つなぎ合わせ、家具や照明など新しい形として命を吹き込む。あるいはステンドグラスの手法を使って、新しい窓ガラスとして再活用する。
そんな“ガラスの循環”を、この伏見屋ガラス店から生み出せないだろうか。
まだまだ始まったばかりの取り組みですが、持続可能な経済への小さな一歩を後押しできる、そんな“古くて新しい”ガラス屋を目指したいと考えます。
伏見屋ガラス店
4代目店主 三保谷 泰輔